【読書レビュー】ビジョナリーカンパニー

ビジョナリーカンパニーという本を読みました。 

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この本は、起業したい人にとっても、そうでない人にとっても、意味のある本です。

起業したい人にとってはもちろん、永く続く企業を作るために考えるべきことがこの本にはあります。

起業したいわけではない人にとっては、この本には具体的に企業の特徴が載っているので、これを読むことで「自分にとって良い会社」とは何か考えるきっかけになる。

 

 

この本を読んで思ったことは、『どんな目標、戦略、戦術、組織設計、給与体系、管理をすれば、理念を体現し続けるビジョナリーカンパニーになれるのか?』ということです。ここに自分の興味が一点集中しました。答えは本に書かれてあったので、一気に読み進められました。

 

 

 この本について

この本は、永続的に存続し続ける企業の特徴について、膨大な数の企業を調べ、まとめ上げた一冊となっています。

 

分析対象をどう選定したか、ビジョナリーカンパニーの共通項をどうやって見つけたかなど、かなり具体的に書かれているので、読みやすく理解しやすいです。

 

この本から分かることは、実際に長く続く企業はビジネススクールなどで勉強する一般論に当てはまらないことが多いということです。長く続く企業にするために、一般的に言われる通りにする必要は全くないということです。

 

それではさっそく、ビジョナリーカンパニーの特徴を見ていきましょう。

 

時を告げるのではなく、時計をつくる

例えば、まだ時計もない時代に時を告げる人が現れれば、多くの人はその存在を貴重に思うでしょう。でももっとすごいのは、その人がいなくても皆が時を知れるようにすることで、すなわち時計を作るということです。

 

これは、究極の作品をアイディアとするか会社とするかの違いに近いです。

究極の作品が会社であれば、あるアイディアを実現することや市場の機会を捉えることにこだわり過ぎず、長く続く素晴らしい組織をつくりあげることを目指せます。長く続く素晴らしい組織は、永続的に社会の役に立つ組織なのです。

 

また、一般論として、素晴らしい企業には偉大な指導者がいるという説がありますが、これは否定されます。偉大な指導者はビジョナリーカンパニーにもいるし、そうでない素晴らしい企業にもいるわけです。では、何が違うかと、指導者が組織志向が強いかどうか。ビジョナリーカンパニーの指導者は、自分がいなくなっても社会に素晴らしい価値を提供できる組織を作ることを重視していたようです。本では、ビジョナリーカンパニーの指導者は組織の建築家であると表現していました。

 

指導者は、自分の利益ではなく組織のことを考え続けるべきであり、この考え方があって初めてビジョナリーカンパニーを築くために必要な点の大部分を学ぶことができるのです。

 

また、挿話として、ORの抑圧とANDの才能という話があります。どちらかを選択するのではなく、どちらも取る。例えばビジョナリーカンパニーは高い理想を掲げ、かつ高い収益性を追求します。不合理だけれども、「一流の知性というのは二つの相反する考えを受け入れそれぞれの機能を発揮させる能力があるかどうかで判断される」というスコット・フィッツジェラルドの言葉こそがビジョナリーカンパニーを表しているのです。

 

 

利益を超えて

ビジョナリーカンパニーが追求することは、株式の富を最大限高めるだけではなく、利益を最大にするだけでもありません。利益を上げて、かつ基本理念に則って意義のあることも追求するんですね。

ビジョナリーカンパニーにとって、利益とは人間にとっての血液のようなもので、なくてはならないけれどそのために生きるわけでもないのです。

 

パッカードが端的で分かりやすく語っています:利益は会社経営の正しい目的ではない、全ての正しい目的を可能にするものである。

 

では、ビジョナリーカンパニーに共通する理念はあるのでしょうか?あるならば、それを理念として掲げ、行動指針とすればどんな企業もビジョナリーカンパニーになれるでしょう。

結論から言うと、ビジョナリーカンパニーに共通する理念はなかったそうです。何を理念とするかよりも、その理念をどれぐらい忠実に体現できるかが重要なのです。

 理念とは、基本的価値観と目的の合わせたものになります。その企業が存在する理由、社会的意義に近しいでしょう。

『この会社を閉鎖し、清算し、資産を売却することもできるのに、それをしないのはなぜなのか?』を考え、100年先にも通用しそうな答えが理念になってくるのかもしれません。

 

基本理念を維持し、進歩を促す

 

理念があるだけでは、まだビジョナリーカンパニーにはなれません。企業が進歩していかないと、成功にしがみついてるようでは、ビジョナリーカンパニーにはなれないのです。

企業は、戦略、戦術、組織体制、給与体系などあらゆるものを変更し適合させていって良いですが、理念だけは変えてはならないのです。その企業の存在意義なのですから。

 

 

本の30%までで、こんなにたくさんの概念を学べます。事例も豊富すぎるほど並んでます。この後を読み進めると、基本理念と進化をどちらも実現するための具体的な構想を大量に得ることが出来るのです。

詳しくは、ビジョナリーカンパニーを読んでください。

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